医師から妊娠と診断されると、すでに新しい家族ができたと思われがちですが、必ず元気な赤ちゃんが生まれるわけではなく、そこまで到達するには流産、子宮外妊娠、早産、妊娠高血圧症候群、前置胎盤、常位胎盤早期剥離など、さまざまな病気が発生して、15~20%程度は流産するともいわれています。流産の原因には、胎児側の異常、子宮内の感染症、子宮奇形、子宮筋腫、母体の内科的疾患、無理な日常生活などがあります。多くは胎児側(受精卵)の異常で、最も多い染色体異常は、いってみれば、もともと育たない受精卵ですので必要以上に心配することはありません。3回続くと習慣性流産と定義され、回数が増えるにつれて確率も増加しますので、2回続いた場合は、主治医とよく相談するといいでしょう。一度流産を経験すると、原因は何であれ不安を抱くのは当然です。多くが遺伝学でいうところの自然淘汰(とうた)と考えることもできますが、繰り返すような流産では、原因を究明していく必要があります。客観的な事実を知り、家族が良きアドバイザーとなって妊婦を心理的にサポートしてあげることが大切ではないかと思います。